ポークビンダル
2017 Septenber
インタビュー:saimi
saimi:今月のカレーを教えてください。
鈴木貴久:ポークビンダルです。
初めて聞く感じですね。キーマとかとはまた違った感じなんですか?
そうですね、特徴的にはお酢を使っているのと、これって南インドのゴア発祥の料理なんです。 もともとインドの人ってあんまり豚は食べないんですよ。
独特の料理っちゃ
独特の料理ですけど
宗教的なことで?
そうです。でもポルトガルの人たちが入ってたんでキリスト教が多いんです。だからそこでは豚も普通に食べはるんですよ。独特の料理っちゃ独特の料理ですけど、結構日本のカレー屋さんとかでも出してはるところありますけどね。
食べ物ってその国の文化に深く関わってると思うんですけど、豚肉は宗教っていう意味で南インドでは食べられているんですか?
南インドというよりは、ゴア発祥の料理なので、自分の知り合いとかでも南インドの違う地方に住んでてキリスト教の人もいはるんで、そういう人は全然食べるんですけど、まあインドはやっぱりヒンドゥー教が多いんで、ヒンドゥー教の人は牛を食べないです。イスラム教の人は豚肉を食べない、ただ全体的に豚肉は好まれないので、あまり扱われてはないかもしれないですね。
ただ、自分も実際ゴアに行ったことはないんで、他の地方に行くんですけど、他の地方でもこの料理は今やったらもうあります。
今月のカレーのポイントというか、特別なところってあるんですか?
今回のも夏場によくあるカレーなんですけど、豚とお酢とあとニンニク結構使いますね。うちでは何回か豚の肉の部位だけ変えて毎年やってるようなカレーで、今回は豚の軟骨を使ってます。やっぱり酸味があるんで夏場に食べやすい感じで、だいたい7、8、9月のどれかでやってる感じです。
カレーでお酢使ってるとか、酸味があるのって珍しいですよね?
そうですね。赤ワインの酸味を元々は使ってたんですけど、それがまぁ赤ワインのビネガーを使うようになって。もともと西洋の人たち(ポルトガル人)がそこ(ゴア)に移住してたんで、おそらくポルトガルの植民地かなんかで、定かではないんですけど。。
無花果も入れるんですか?
何か欲しいなと思って。ちょっと入れてみました。果物とカレーって自分の中でたまにやろうって感じやったんで。今回ちょっと何がいいかなって。
ガルさんのカレーはスパイシーなイメージがあったんでスパイスについて興味があるんですが。
もともと自分が働いてたところの影響もあると思うし、教えてもらった人の影響もあると思うんですけど、
できるだけこれにあったスパイスは何やろなって考えるようにしていて、いつも同じスパイスではないスパイスを使いたいっていう風には思いますね。何食べても同じスパイスのカレーやなってところもあると思うんです。
インド人がやっているカレー屋とかでは、ベースは決めてやってはるんやと思うんです。
ベースみたいなんを作ってそこに具材を足して行って、だから味が似ている。具材の違いで味の違いを出しているところが結構多いですよね。
うちはひとつのものに対してスパイスも違ったりするので、それでちょっとスパイスが感じられるのかなとは思いますね。
今回のカレーに関しては
そこにあんまり特徴を
出してないです。
私モロッコに行ったとき色んなスパイスがあって、ドライトマトのスパイスとか変わったスパイスがあったんですけど、今回使われている中にも色んなスパイスがあるんですか?
いわゆるよくカレーに使われるスパイスですね、カルダモン、シナモン、クローブ、ブラックペッパー、クミンとか。
基本的にこのカレーやからゆうて大きく変わるわけではなくて。もちろんそういうカレーもあるんですけど、今回のカレーに関してはそこにあんまり特徴を出してないです。
いつも自分でこのスパイスとこのスパイスっていう風に混ぜているんですか?カレーによって違ってきますよね?
その時使う具材もありますし、気候もありますし、自分が作りたい好みにも寄りますよね。
前回のラッサムキーマは万人受けではないっていうのを読んだんですけど、今回はどういう感じですか?
どーなんでしょう。どちらかというと男性向けやと思ってます。
どちらかというとガッツリしている方。
カレー食べますよ(笑)
話かわりますけど、鈴木さんってカレー食べるんですか?
カレー食べますよ(笑) 普段自分のお店でいろいろ味見したりとかして食べてるんで、どちらかというとそんなに頻繁に食べに行ったりはしないですけど、他のところに食べに行くことはありますよ。だいたい月1ぐらい行きますね。
最後にこのカレーを一言でいうと?
ゴアの酸っぱいカレー。