マトンのカレー

2018 December

マトンのカレーマトンのカレー

インタビュー:浅尾 将大

浅尾 将大:僕飲食店ずっとやってるんですけど、以前グランフロントのシティベーカリーってとこで働いていて今はソーセージ自分で作って、ホットドックとかサンドイッチとか、で最近はカレーとか出すようになって…

鈴木 貴久:そうなんですね。

例えばスリランカをメインでやってるカレーだとか色々あると思うんですけど、Gharさんはどこの国を軸に置いてやってるんですか?

そうですね、どこかと言われたらたぶんインドなんですよ。ただその自分が働いてたデリーっていうお店が、そこ自体がどちらかというとオリジナルカレーなんですね。一応インドカレーとかをベースにはしてるんですけど、まぁデリーっぽいカレーもあれば、またそのインド人の方に教えてもらったりもしたんで、ほんとにこうインドっぽいカレーも出してましたね。だから他の国のは、なんて言うんですかね独学でこうタイカレーとかスリランカカレーとかは独学で…見様見真似でやりますけど。

アレンジみたいな?

ベースとなるのはたぶんインドカレーです。

自分も今ベースっていうのを、一応スリランカにちょっと寄せた…ほんまはもっと色んな所行って、もっと自分で食べて確かめて、今日もGharさん来て、またこういうなんか違う感覚っていうか…なんか今の流行りっていう訳じゃないですけど、ターメリックとかバスマティライスがあって、こう副菜があって、でダルのカレーがあってとかそういうのが結構ベースじゃないですか?

最近そうですね、多いですね。

まぁスタンダードになりつつあるカレーの中で、全然違う絵が出てきたから結構衝撃やって。。

そうですね、まぁうちはそうですね。

自分が作るものを作る

そういう意味でも自分の色っていうか、その店の色出さなあかんかなって、ちょっと改めて思ったというか。

うちはこのお店やり始めた時には、まだそこまでスリランカカレーとかブームになってなかったんで、どちらかというと自分はその、まぁ流されずにって言ったらあれですけど、自分が作るものを作る、逆に後から来たんでまぁそれをずっとやってただけで。

自分のスタイルっていうんですかね?

そうですね。なんか難しいですね…うちのスタッフでもカレー屋をやりたいっていう人もいるんですけど、やっぱオリジナリティを出したいっていう。でも結局そのオリジナリティを出すっていうのはすごい多分…1番難しいです。

なんかその、じゃあ今まで和食をやってましたって人が、あの出汁を効かしたカレーをやるとかなんかそういう自分が今までやってきたことのプラスアルファのカレーに繋げるとか、まぁ僕も一応フレンチとか、ビストロ寄りのことはまぁちょっとやって来たんですけど、何かそういう自分の色足せるようなテイストっていうか…で、滋賀の北の方の人等にも受け入れてもらえるような、それこそ滋賀の代表するカレーみたいなのを目指したいなっていう、そういうイメージはちょっとあるんですけど、こっちなんかもう激戦区じゃないですか、大阪は。

すごいですね。

大阪のカレーってめちゃくちゃある中で、京都も少しありますけど、やっぱ滋賀のエリアってなるとかなり少ない。逆に言えばココイチとかチェーン系の店あるんですけど、なんかそういうのがほぼ主流なんで、なんかそこに一石投じたい。

どちらかというとそのスパイスカレーって言われるものを持っていきたい?

そうですね。自分の中ではオリジナルのスパイスカレーを出したいです。

なんかスパイスに精通しているかって言ったらそうでもないと思ってるんで。

なんかGharさんのスパイスの中で、なんかこのキーにしているっていうか、自分がこれは外せないっていうのはあるんですか?

スパイス自体をですか?

カレーを組みたてていく中で、なんかこう軸となるというか。

う〜ん、そうですね。その月替わりでカレーをやってるんですけど、結構そのタイプを毎回毎回変えてはいるんです。スパイスをいっぱい使った分もあれば、全然ほとんど3種類くらいしか使わないのもあったりで…ベースというかこう元々3種類のカレーが、チキンカレーとビーフカレーとあとキーマってのがあるんですけど、それも結構スパイスが全部別なんで。

それってなんか1個1個表情ありますよね。

そうですね。だからこう、うちのカレーの作り方…月替わりとかやったら、この作り方をベースにして具材をこう変えてますっていうイメージじゃないんですよ。どちらかというとその具材にはこんな感じの味が合うかなっていうので、もうなんか全体を変えちゃうっていうのがあるんで。

その、合うやろう、
合うやろうの繰り返しです。

やっぱそういう構成で作ってるってことですね。

そうですね、まぁでも何パターンかは大体こう…例えばインドカレーのお肉を使ったカレーとか、魚介を使ったカレー、まぁトマトを効かしたカレーとかっていう何パターンか自分の中で、こういう感じでこういうスパイスが肝となってっていうのはやっぱあるんですよね。で、そこにその食材やから自分もこれにこれが合うとか多分わかんないんですよ。その合うやろう合うやろうの繰り返しです。で自分の中でこれが良いなって、ほんだらこの食材にはこれが合うなって…多分スパイス以外でも、ほんとに多分野菜とかでもそうやと思うんです。

そうですね。

で、まぁこのお肉にはこの野菜が相性良い、そういうのがなんか、どんどんどんどん出来ていって今はなんとなくは、こうなんかパターンっていうんですかね。そういうのは出来てるんですけど。だから全体的にこれが軸ですよっていうのが、なかなかうちは無いんかもしれないですね。

だからこそスパイスってめっちゃ奥深いなって…例えば自分らのビストロのフォン・ド・ボー挽くとか、多分その軸となる物自体は決まってるじゃないですか。これを軸に例えばデミソースを作るとか…ま、簡単と言うたら怒られますけど、そういう ちょっと分かりやすいというたら分かりやすいんですけど、 なんかこのスパイスカレーに自分がハマってからそのスパイスの構成っていうか…多分それは、自分がどんどん組み合わせ組み合わせで生み出していかなアカンものなんやろなって。すごい感じたし…なかなかそういう構成って簡単に出来るものじゃないから余計に、、もっと修行していかなアカンなってすごく、めっちゃめっちゃ思わされました。

そうですね。それはあるかもしれないですね。

今月っていうのはどんな感じのカレーですか?

今月は、その全く12月とは全く関係ないですけど、マトンなんです。

へぇ〜

うちキーマはラムでやってるんで、マトン使うの実は初めてなんです。

今日めちゃくちゃ食べたかったやつです!

あ〜ほんまですか!

マトンとかはもうあれですか?マトンとラムってそのなんか使い分けてあるじゃないですか。

難しいですね。その逆に言えばマトンをそんなに扱ってないから、いやその月替わりのカレーやってもう6年半ですけど、初めてなんですマトン。

あ、やってへんなっと思って。

え〜(笑)

まぁラムがあったからってのもあって、メニューの中にラムがあってマトンがあって、4種類のうち2種類羊あってあと牛やなってちょっとあれかなっていうのがあったりして、なんか自然とこう避けてたんですよね、、だからそういやなんかこう思いついて、あ、やってへんなっと思って。まぁなんかそれで今回はやってみようかなって感じで、ほんとになんか季節感とかはあんまりなかったです。

でもなんか季節感も必要ですけど、やっぱそういう食材に惹かれてくるお客さんってのも多いんじゃないですか?マトンが好きな人は絶対好きやろし。

そうですね。まぁ分かれますけどね。ほんまに好き嫌い。

なんかカレーマニアって言ったらあれですけど、そういうちょっとマニアックな人ってやっぱラムとかマトン好きやって言う人多いですよね。

そうですね、多分それは間違いなく多いですね〜
ちょっとクセのあるものがやっぱ…

なんか僕も自分の店でラムのソーセージ作って1回出したことあるんですけど、やっぱ一般のというかちょっとマニアックじゃない人が食べると、結構ビックリされることが多くて、、

あ、そうなんですか。

はい、パンチ強すぎるみたいな。

クセが強い?これはちょっと先にまかないだしてすいません…

12月ってなんかこう…
イメージ的にちょっと
特別な感じがするじゃないですか。。
( ´・ω・` )

今回マトンにしたきっかけってあるんですか?

その月替わりやってて、12月ってなんかこう…イメージ的にちょっと特別な感じがするじゃないですか。なんかまぁいつもこう、そこにちょっとした高級ではないけど、いつもよりこう…

非日常感みたいな?

というものを持って行きたくなるんですかね。多分毎回なんかそういう風な感じがしますね、12月になると…

去年の12月とかは?

去年の12月は多分牛タンやったと思います。

その緑のやつは何ですか?

これですか?これ白和えです。

へぇ〜??え、ちょっとなんかスパイス入れてるとか?

いや全くですね。 普通の白和えです。

あ、全くですか!え!ガッツリの白和えですか?

ガッツリ白和えです。

へぇ〜!だからこういうのがあれですよね。ちょっと店の色というか、だから何でもかんでもスパイス使わなアカンって頭を取った方が良いなって、最近結構思うんですよ。 カレー屋やからこうせなアカンとか、あんまりそういう考えは無くさなアカンなってすごい思ってるんですけど。

そうですね。そうです確かに。

今回白和えはなんでそのまんま?

多分スパイス感が強かったんで…ていうかほんとに試作したら家で食べたりするんですけど、その時に白和えがあった訳じゃないですけど、なんか白和え食べたんやと思います。
多分そのカレーの味を想像した時に、こういうもんが合うかな〜っていうので…なんか白和えやったんですよね。まぁ多分前の卵に似てるかもしれないですね。

あ、牛タンのときの?

そうそう。あれも多分スパイス感が強かったものに対して、ちょっとまろやかにして食べやすくする為のやつを作る。そういう所は…

多分もろに白和えなんですけど。

結構ビックリされます?お客さん白和え出てきて。てか白和えって気付きます?食べてて…白和えやん!みたいな?

どうでしょうね、でも一応そのメニューにも書いてあるんですよ、白和えと。最後に。でも何これっていう人の方が多分多いと思います。まぁ食べたら多分もろに白和えなんですけど。

まさかカレーに白和え出てくるって思ってないから、不思議なものが来たぞっていう。

まぁ箸休めに…

マトンってちょっとクセありますもんね。

あると思います。

カレーってやっぱ皆に響くっていうか、唯一ラーメンに勝てるあれやと思ってるんですね。

ラーメン強いですね。

けど大阪って今ちょっと逆転してきてるなってイメージがあるんですよね。

そうですね。

まぁ彦根も一応近畿で関西なんで、まぁあのラーメンはすごい多いんですよお店。有名店もありますし日本で1位取った店もありますし。

へぇ〜。

で、こうやって機会があるのは嬉しいです。カレー屋さんって、知り合いなんて全くいなかったんで。お店の名前は知ってたんですけど、カレー界では有名な人なんやなってなんか本出されました?あの大阪スパイスカレー、監修みたいな。

いえいえ自分は。

なんか共同でですか?

レシピ…

レシピ本かなんか、この前…

あ、最近ですかね?出しましたっていうか、ほんとに色んな人が載せてるやつの1つだけですね。

あ〜なんかこの前調べてたら、そんなん調べてたんで。

これちゃいますか? 各お店で結構売ったりしてるし、あとはあの〜スタンダードブックストアっていう。そこでつい先日そのトークイベントみたいなんやったんです、それの出版記念の…

それラジオでやってませんでした?

やってました?宣伝してました?

なんかラジオの宣伝かなんか、僕それ聞いた気がします。

つい先日、そうです日曜にやりました。

結構カレー界ではもうすごい地位に。なんかあのカレーのオタクからもらった本パっと開いたらちょうどねGharさんと金剛石さんともう1店舗分からないですけど、なんか3人で…

あ〜対談ですか?

なんか楽しく写ってはる。

あ、ありましたね。去年、一昨年ぐらい…こういうので色々こう、色んな店集めたんは僕初めてやったかもしれないですね。

カレーって自由なんですね、結構なんか。

そら自由やと思います。いや〜でもどこのお店も全然違うので…そのスパイスカレーっていうのは一応言われてますけど、何がスパイスカレーなのか…多分言われてるお店側としては、自分がスパイスカレー作ってるとはまず思わないだろうし…それ何やろう…まぁその括りとしてね、

はい。ほんだら結構Gharさん自由に作ってる…もう自分がこういうカレー、まぁ自分の中にこう定義は一応置いといて、なんか他のお店に左右はされない感じで。

そうですね、されてないかもしれない。まぁカレー以外にもこう、もうほんとラーメンとかそれこそ…他の食べ物とかに影響を受けて次こんなカレー作ろうかなっていうのありますし、逆にちょっとまぁ最近カレー屋さんの方には行けてないんで、どちらかというと他のを食べてからの影響の方が多いです。

あの正直僕今日来させてもらったん初めてなんですけど、なんか色んな所で食べて来たカレーとはちょっと出し方もなんか違ったし。だからなんか僕はカレーって言ったら、ああいう相掛けスタイルで、皆ああいうのが好きなんかなと思ったんで、けどやっぱ人気店のカレーで食べた時に、あっこういう出し方でまたこう人気を出してはるんやと思ってちょっと…

そうですね。まぁでも、どっちがこうまぁ受けるかっていう…

またオープンしたら遊びがてらに覗いて見てください!

ぜひ。いつ頃?

3月にはオープンします。インタビューありがとうございました。それでは今月のカレーをひと言で言うと。

メ〜クリスマスカレーです。

インタビュー:浅尾 将大