キノコと牛肉のカレー

2018 October

キノコと牛肉のカレーキノコと牛肉のカレー

インタビュー:鮫島 一美

鮫島 一美:来れて良かったです。

鈴木 貴久:うち来てもらったことあるんですか?

初めてなんですけど、噂は聞いてました。うちのスタッフでめちゃめちゃカレー好きな人がいるんですけど、名前言ったとたんに「あ、そこはキーマが美味しい所や!」って言うてました笑

ありがとうございます。

今月のカレーはどういうものですか?

10月のカレーは去年10月にやったと思うんですけど…にやったカレーを。

そうなんですね。

3回目か4回目ぐらいやったと思いますけど、大体毎年秋にやって…結構まぁお客さんから評判が良いので、まぁその次の年もやろうかなっていう感じで、今回もやらせてもらってます。

キノコと牛肉のカレーって白いカレーなんですね?

えっと、キノコのカレーが白いですね、でご飯の上に牛肉のスパイスで炒めたような感じの…しぐれ煮みたいな感じなんですけど、それはご飯の上にのせてて、それをかけて一緒に食べてもらう。

すごいですね。なんかこのレギュラーメニューあるじゃないですか?レギュラーメニューよりも上回る時ってあるんですか?味が。

味がですか?自分の中で。

自分の中では今までない

自分の中で。

あ〜、自分の中では今までない…かもしれないですね。

あ、ないですか!やっぱりそのレギュラーがトップなんですね。

そうですね。なんか、その人それぞれなんでしょうけど、その味の感覚として…自分の中では、それが一応3つあって、まぁあるんかなって感じですね。

あ〜なるほどですね。

結構お客さんによっては、このカレー定番にしてよっていうのは、結構話は聞くんですけど…まぁそうすると今定番のカレーを何か無くして、新しくやるって感じになるんです。だから自分の中で、その3つのうちどれか1つを削るっていうのはしっくりこないっていう…

それほど…言ったら素晴らしいってことですよね。

自分で言ってたら。。笑

皆さんこの行列が出来てるのは、このどれかを食べに来る目的で来られてる方が多いんですか?

そうですね、あのたぶんキーマと月替わりが基本的には1番…どっちかが人気があるんです。

あ、キーマと月替わりなんですね。じゃあ月替わりもなかなかお客さんを集めてる感じなんですね。

そうですね。その月替わりのカレーにもよりますし、その月替わりっていうことで1回食べてみようっていう。

あ〜なるほどですね、その時にしか食べれないから。

そうですね、やし全部同じ量ずつぐらいしか用意してないんです。だから出ちゃえば、そのカレーは無くなっていくっていう感じなんで基本的に早く無くなるんで、まぁお客さんも早めに行かなっていうので並んでくれてると思います。

はい。

じゃあ来たけど食べれないってこともあるんですね?

はい。

そうなんですね。あの僕ちょっと、美容室って…まぁ美容室で例えるのとちょっと違うと思うんですけどなんかあの飲食店で、例えば月替わりメニューがあったりとか、その日の食材によってメニューが違ったりするじゃないですか?
それがなんか…すごい僕は、惜しいような気がしてしまうんですよ…月替わりとかで、例えばめちゃめちゃ美味しいのが出来たのに、それをメニューから無くしてしまうのが勿体無いなっていう気になるんですけど…

あ〜

なんか美容室でそんな人気のメニューが誕生してしまったら絶対残したいんで…

あ、、例えば美容室で、その人気のメニューってどういう…ごめんなさい全然想像が今、、、

例えばですけど、ヘアスタイルですごい可愛い髪型が出来たとするじゃないですか?その髪型が出来たら、もういったらその写真を撮ってHPとかブログに載せてこんな髪型出来ますとかメニュー作ってしまって、お客さんを集めたりとかするんですけどでも、もうその髪型来月はやってないんですよとかはないんですよ。

なるほど。逆にその、例えば写真を撮ってまぁ色んな角度から写真を撮っておけばその1回切ったその髪型を再利用出来るってこと?

あ、全然出来ます。

あ〜え、その髪型が出来上がったのはたまたまってそういうことですか?

その髪型が出来上がるのはたまたまの時もあるんですけど、計算して辿り着く時もあるんですけど。ただまぁその髪型を期間限定でやるっていうのはないですね。

あ〜

たぶんキノコと牛肉のカレーも、例えば12月に作ろうと思っても作れると思うんですけど。

作れますね。

それをやらないのが、なんか潔いなと思うというか…

そうですね。その考えがあんまりなかったかもしれないです。元々その月替わりっていう枠の中で考えてるから…もちろんその、さっきも言ったんですけど、このカレーを定番にしてくれっていうお客さんもいてくれるんですけど…そうですね、なんかこう新たに増やしていく事をしてしまうと、どんどんどんどん増えていっていく形にはなる。
けど仕込む事もちょっと難しいし、お客さんもお店のキャパも限られてくるんで。で時間も限られてくるんでまぁやるとしたら多分入れ替わりっていう形にはなると思うんですよね。1回まぁそういう事も考えたことはなくはなかったんですけどね…

でも新しいカレーを考えるのって、結構手間というか時間掛かったりするんじゃないかな?って思うんですけど…なんかめんどくさいなって思うことってないんですか?

めんどくさいっていう風には思わないですけど。やっぱこう期限が決まってるんで、どうしよどうしよっていうその〜要は月ごとに変えなきゃいけない、でも今回のように去年のやつを出してきたりすれば、まぁ2ヶ月くらいに1個新しいのが出来上がってれば…

なるほどですね。

でも、それもやっぱり良い感じに出来上がる時と、そうじゃない時とある。 めんどくさいとは思わないですけど、あ〜もう時間ないなとは…

ちょっとあんま
何も考えないですけども。

ありますか?

結構あります。なかなかその月替わりのカレーを考えるので…新しく始まると、ほんとはそっから次のやつを考え始めるんですけど、ちょっとその月替わりの前のを出した時にはなんか…エネルギーを使った分を1回ちょっと補充しなきゃ、なんかこう出てこない笑 だから1週間くらいは、ちょっとあんま何も考えないですけども。

あ〜なるほどですね笑、そういう時間があるんですね。

ほんとは、そういうところで考えてれば後は楽なんでしょうけど、その感じが出来上がっちゃってますね。

じゃあかなりパワーいるんですね、新メニュー考えるって。

そうですね、全く新しいものとなるとほんとに…

それを毎月やっていってるのはすごいと思いますね、ほんとに。

考えようとしてない時に、まぁこんなん良いかもなって感じに思うこともあるんですけど…何かを見たりしていて…

なんか作品みたいな感じやと思うんですけど、どうなんですか?作品感みたいな…なんて言うんですか…料理、作品…なんかちょっとアート的な要素が含まれてたりするのかなって思うんですけど、芸術というか…

あ〜どうなんでしょうね。

まぁその、見た目だけじゃなくて味…作り始める時にあの〜なんかこれも気になってた事なんですけど、最初にもうあの来月はキノコと牛肉のカレーにしようって思ってから作り始める感じですか?

あ、全くこうぼんやりしたとこで作ってみようっていう感じで作るのか、それともこう…

そうです、そのゴールがもう決まってて味とかも完璧にゴールが決まってて、それに向かって行く感じなのか行き着いたらそこになってたのか…?

どっちもあります。結構こういう感じでやろうとかって言うのは大体最初の方で決まってくるんですけど、それが絞られてくるっていうのは、ほんとの最後の方なんで…食材に関することであったら、最後の方で変えることもあったりして、で味のベースは変えへんけど、食材は変えたりとかっていう…結構最後までどこに行き着くかっていうのが分からない状態でやってる、ただ味のなんかこう雰囲気は、結構先に考えちゃうかもしれないですね。

すぐに行ってくれる時も、
全然そうじゃない時も

ある程度ゴールの味みたいなん、目標みたいなん決めてそれに逆算して辿り着いていくみたいな感じですか?

そうですね、こうしたら良いかな、どうしたら良いかなっていうのも、それも結構すぐに行ってくれる時も、全然そうじゃない時もあるんで。

カレーって流行ってるじゃないですか?

そうですね〜大阪は結構多いですね、カレー屋さん。

中毒性があるっていうのは、
カレーにはよく言われます。

その僕のお店のスタッフなんかも、カレーもう毎週、週2,3回行ったりとかするんですけどなんかちょっと中毒気味になってる様な感じがするですよ。なんかそういうスパイスによって、そういう効果があのなんか持ってしまってるというかどうなんですかね〜なんかハーブ的な。

あ〜そのハーブ的なことはあんまり自分もよく分からないですけど、でも確かに中毒性があるっていうのは、カレーにはよく言われます。

なんかハーブみたいな感じですよね?植物?

そうですね、基本みんな植物ですね。まぁそれが…難しいですね。中毒性があるって言うのは…ただ中毒性があってダメな植物もあるじゃないですか、体に害を及ぼす…ただ今出てるのは、体に害がないから中毒性があっても良しとされる訳であって、同じ中毒性という意味では多分変わらないんで多分そういう作用があるのかもしれないですね。

なるほどですね。

また食べたくなるっていう、そういうなんか脳に働きかけるような、だからそういうのがあって…まぁただそれは、体に悪影響を及ぼさないから使われてますよっていうのはあるかもしれないけど、そこはちょっと分かんないです笑、そこまでは笑

いやなんかあの〜僕なんて言うんですかねアロマのハーブのエッセンシャルオイルとか、そういうのを調合してマッサージオイルとか作ったりとか、芳香剤とか、まぁ入浴剤作ったりとか色々するんですけど、なんかそういうの作ってたら、色んなハーブの匂いとかをね部屋に充満する感じになるんですけど、なんかその時って、ハーブによってはすごくシャキッとしたりとか、まぁ物によっては眠たくなったりするんですけど…
なんかこのお店の前に立ってた時にもう結構匂いが、すごい匂いしてたんですよね。その時にもう、なんかちょっと体…脳からなんか出てそうな気がしたんです笑 何て言うんですかね笑 興奮状態っていうか、きっとそういうのがあるんだろうな〜っていう。

笑、あ〜そうですね多分その、結局カレーなのかスパイスなのか分からないですけどカレーは子供の頃から食べてるカレーって、まぁ匂いはちょっと違うと思うんですけどそのカレー自体が皆好きであって、多分その自分もここじゃなくってもあの〜、チェーン店のカレー屋さんとかの前通っても、なんかちょっとこうテンションあがりますよね笑

はい笑

なんか元気になるというか、まぁたぶん多分そのうちだけじゃなくて、そういうのがあるんでしょうねカレーには。

むちゃくちゃいっぱい並んでますよね〜スパイスこういうのを混ぜながら、今回のカレーはこれをちょっと量多めに入れようとかそんな感じですか?

そうです。でもあの〜全部を入れることはまずないです。大体でも1回のカレーに5〜10の間ぐらいですかね。逆にすんごい少ないとか、今回のカレーはもっと少ないですね。

そうなんですか。そのキノコと牛肉のカレーは少なめなんですか。

そうですね。その牛肉の方はちょっとスパイスを効かしてるんで、色んなスパイスを入れてるんですけどキノコに関しては4種類しか入ってないですね。

あ、そうなんですね。カレーによって火加減違うんですか?

えっと、大体最初強火で温めます、ただ沸いてまうと香りがどんどん逃げてまうんで。でまぁ抑えて、ちょうどこうバランス良く。

あ〜香りを逃がさないように火加減調節…

まぁ自分の作業と、こう火の加減とで、ちょうど沸くかなっていうぐらいでまでして7割、8割ぐらい沸いたところで1回火を弱くしてっていう…

すごいですね。なんか動きに無駄がないです。いやもうほんとに最初、ただひたすら作られてた時の動きがね、無駄な動きがひとつもなかった笑 普段美容室で働いてて、色々作業しますけど、自分もそういう動き出来てんのかな〜ってちょっと…不安になるぐらい動きに無駄がなかったんで…笑

ありがとうございます。

この赤い実はなんなんですか?

あ、これですか?それザクロです。

このカレーはどうやって食べるのが正解なんですか?

そうですね、まずどっちもそれだけで食べてもらって、まぁあとは好みで 多分混ぜた感じと変わってくるんで、各々にも結構味はちゃんと付いてるんですけどね。混ぜるとまた…

最終的にはもうぐちゃぐちゃにして食べる感じですよね?

そうですね、皆さん結構こう、まぁぐちゃぐちゃってその…お肉の部分に大体その白いカレーをかけて、そこをちょっとほぐしながら食べるって感じですね。

カレーの上にのってる緑の葉っぱは?

チャービル…う〜ん、まぁ卵料理とか使われたりしますし、お菓子とかの上にのっかってたりするんですよね。多分どっかで見たことはあるかもしれないですね。

結構存在感があるんですね?

いや味自体は、今回はそんなに、よくパクチーとかを使ってたりしてたんですけど、まぁパクチーはパクチーで良いんですけど、今回はこれ自体の味がけっこうあれやからまぁ、今回はあんまり邪魔せん方が良いかな〜って感じで…

今回赤い
アチャールの方と

いただきます。カレーの時の手の感じ迷いますね、左手の添え方笑 テーブルに置けばいいのか。。

今回赤いアチャールの方と一緒に食べられた人が、あれを食べちゃうとキノコの香りが消えてしまうみたいな笑 ピクルスの方が強すぎて…まぁどちらかと言うと柔らかい感じの多分キノコ自体が…だからあんまりそっちには見えん方が良いのかな?全部持ってっちゃうみたいです笑

これは何のキノコですか?

これは、マッシュルームと、しめじと、エリンギです。

なんかあれちょっとハーブっぽい匂いしますね?

っと多分、その白い方の上にのっかってるのはカスリメティていうフェネグリークの葉っぱなんですけど、それを乾燥さしたもの。それが多分…これの匂いやと思うんですけど…匂いますか?

あ、これです。

します?これが多分上にこう散らばってるやつ。結構あのカレー屋さんでも最後にぱーってやってます。

ああ〜緑のやつですか?

結構カレー屋さんよく使われてはります。どうでしょ、自分が結構そのデリーとかであれしてたのは、出来上がったカレーの上に最後に散らして火を止めるっていう感じで使ってたんです。

散らして火を止める。

まぁ多分それ以上火を入れてしまうと、香りが飛んでいってしまう。

生でもいけるんですか?

乾燥、ドライなんで全然大丈夫なんですけどだから逆にこっちに来て、そういうこう散らしてるやり方を始めて見ましたね、その使い方があるんやなって。

それって匂い付けですか?

そうですね。

結構男性の方きゅん(*´エ`*)
って来るらしいです。

めちゃくちゃ美味しいです!!すごい美味しいです!!

ありがとうございます。女性に…まぁぼんやりとしたターゲットはあるんですけど、結構男性の方きゅんって来るらしいです。

いやさっきの話に戻るんですけど…これをなんか来月無くすのが考えられないです…笑 潔すぎるでしょ。

そうですね。今ではもうキノコも年がら年中あるんで、そこまであれしなくても良いのかもしれないですけど。

いや。でも年に1回しか食べられないなんて勿体無いくらい美味しいですね!

違いますか?そのかけた時とそのままで食べた時と??

全然違いますね。ま、それぞれ美味しいんですけど、合わさった時の合い方が半端じゃないですね〜!カレー通の人って結構びしゃびしゃにして食べますよね、結構ぐっちゃぐちゃに混ぜて。

そうですね〜まぁ実際こうお客さんがどう食べてるかって…笑 パッとホールの方を見る時があった時に、ちょっと見たら結構皆混ぜて食べてはるな〜って感じ。まぁどのカレーでも結構様々ですね。食べ方とかご飯とカレーを崩して食べてるのか、ほんまにビビンバみたいにぐちゃぐちゃって食べてはるとか。

こう2種類で分かれてると、これだけとこれだけとまぁちょっとかけて食べる感じと、さっきみたいにぐちゃぐちゃにして食べる感じと、なんか色々楽しめますね。いや〜なんかめちゃめちゃ美味しくて、さらに楽しい感じなカレーでしたね。なんかすごい白いキノコのカレーが、なんかカレーなのかスープなのか…

そうですね、どちらかと言えば例えばキノコのスープをカレーに持っていってっていう。

あ〜なるほどですね。これだけでも注文したいぐらいです。

そうですね。そっちの方がやっぱ皆好きやって言ってくれます。

いやなんかこう、めちゃくちゃこっちも美味しくてなんですけど、白い方はもうなんか色んな料理に使えそうな感じの…なんかフレンチとかにでも出てきそうなすごい上品な感じ…

そうだと思います、多分スパイスを抜いちゃえばもうほんとにキノコのポタージュみたいな感じなんで。

インタビューありがとうございました!
最後にこのカレーをひと言でいうと??

季節の移ろいを感じるような、秋を抱きしめる冬カレー。

インタビュー:鮫島 一美